家づくりを始めると、やたら出てくるアレ。
そう、「断熱等級」。
「せっかく建てるなら、等級7にしときましょ!」
「等級7なら将来も安心ですよ!」
「今は7が主流ですよ!!(ほんまか?)」
……え?ちょっと待って、“7”ってそんなにスゴいの?てか必要?
って思ったあなた、正解です。
今回は、断熱等級7のホントのところ、
そして性能競争に潜むワナについて、解説していきます。
断熱等級7、カタログで見るとめっちゃ強そうです。
まず「断熱等級7」とは何か。
一言でいうと、
「もう、ほぼ魔法瓶」
北海道並みの性能で、UA値は0.26以下。
ちょっとやそっとの寒波じゃ動じません。
冬でも、ほんのちょっとエアコンつけたら「あったかっ……」ってなる感じです。
しかも家中どこでも。トイレも廊下も脱衣所も。
性能としては確かに最強クラスです。
高性能に憧れるの、わかります。
私も最初そうでした。
「とりあえず“7”にしとけば最強やろ」って。
でも、ちょっと待ってください。
• 建てるのは北海道?ですか?
• 家にいるのは日中?共働きで夜だけ?
• 冬場の光熱費より、初期コストが気になる?
……など【暮らしの前提】が抜けてたら、
等級7はただの数字のマウンティングになってしまいます。
住宅は性能を追い出すとキリがないんです。
断熱、気密、耐震、耐風、遮音、遮熱、日射取得、蓄熱……(あークラクラしてきた)
しかも断熱等級を上げるほど、
• 壁が分厚くなる
• サッシ代が高くなる
• 気密施工が神経戦になる
などなど、コストも難易度も爆上がりな世界です(まるでRPGの後半ダンジョン)。
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スペックよりも大切なのは、家族の暮らしにちゃんと合ってるかってこと。
たとえば…
• 冬でも窓を開けて風を感じたい人に、超断熱窓って必要?
• 家にいる時間が少ないのに、室温の安定性ってそこまで重要?
• ちょっと寒くてもこたつ派なら、それでも幸せかもしれない。
そう、等級7が悪いんじゃない。
「全員が等級7にすれば正解」って考え方が危ないんです。
断熱等級7は、確かにすごいです。
でもその数字だけを見て決めるのはちょっともったいない。
大事なのは、
「これでいい」じゃなくて、「これがいい」と思える家をつくること。
スペックじゃなく、
「わが家らしい答え」を探していくプロセスの方が、実はずっと楽しいし、あとで後悔しません。
ちょっと寒くても、あったかい味噌汁があれば幸せだったりする。
家ってそういうものです。
おまけ:等級を「カレーの辛さ」にたとえると…
• 等級4:甘口(最低限の安心)
• 等級5:中辛(一般的な快適)
• 等級6:辛口(しっかり暖かい)
• 等級7:激辛(プロ仕様)
「みんな辛口好きでしょ?」って言われても、
辛すぎるとお腹壊す人もいますよね。
自分にちょうどいい“断熱スパイス”を選んでいきましょう。
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