よくあるウワサ「長期優良住宅は長持ちする?」
これは一概には言えません。
しかし、「長期優良住宅が必ずしも長持ちする」というのは間違いです。
勘違いされている方が多く、実は同業者さんでも誤解されている方がいますので、
ここで取り上げることには注意して理解しておいてください。
長期優良住宅の技術的審査は書類審査だけです。
建築工事の着工後の検査は行っておりません。
よって、施工品質の面では長期優良住宅であることの優位性はありません。
簡単にいえば、長期優良住宅の認定を受けたとしても欠陥住宅が建ってしまう可能性はあります。
長期優良住宅だからといって期待はできませんし、住宅性能評価などであってもあまり期待できません。
あくまで、施工会社が自らの手でどれだけきっちりと施工監理、品質管理を行うかが重要です。
そのため、住宅の施工について品質の検査を希望する場合は、別途で第三者の住宅検査を利用する必要があります。
さらに長期優良住宅のデメリットをご紹介します。
不透明なデメリットとして挙げられるのが、完成後のランニングコストです。
少なくとも10年ごとに点検しなければならないことなどがあります。
点検ついでに、リフォームの営業をされます。
建築のプロに「ここが悪い」と言われたら直すしかないですよね。
私はこれが一番のデメリットだと思います。
「長期優良住宅の認定を受けるには」で記載したような手続きが必要であるため、
長期優良住宅としない場合に比べて所要日数がかかります。
設計・打ち合わせ、申請期間にもよりますが、数週間から1ケ月以上の期間がかかることがあります。
長期優良住宅の認定を受けるために費用がかかります。
(諸条件によりばらつきがあります。)
まず、行政へ支払う認定手数料が数千円〜数万円かかります。
この金額は行政によっても異なりますし、方法によっても異なります。
方法というのは、事前に住宅性能評価機関の技術的審査をするかどうかの違いです。
事前に住宅性能評価機関の技術的審査をする場合には、行政への認定手数料は数千円で済みますが、
住宅性能評価機関への代金が5万円前後(諸条件による)かかります。
どちらの進め方であってもここまでで5〜6万円前後の費用がかかると考えてください。
さらに、ハウスメーカーや工務店、設計事務所が諸費用を上乗せすることが多いです。
これは建物プランや会社によって金額に開きがあり、数万〜数十万円になります。
長期優良住宅の基準に合わせることで建築コストが高くなることもデメリットと言えます。
しかし、仕様をよくすれば建築コストが上がるのは当然のことですから、
その分良い家が建つので単純にデメリットと考えることでもないでしょう。
長期優良住宅にすることによって、建築費が大幅にアップする建築会社もあるそうです。
長期優良住宅の認定基準のなかには、今の時代の新築住宅としては当たり前のことも多く含まれており、
何も長期優良住宅にしなくともクリアしている項目がいくつもあるという住宅は多いです。
そのような住宅の場合は、建築コストはそれほどあがりません。
もし、ハウスメーカーや工務店から、建築費の大幅な値上げを求められた場合には、
元の仕様レベルの低さか、長期優良住宅の理解と手続きを面倒がっている可能性を疑い、注意した方が良いでしょう。
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