実家の建物がとても古く、親に「暇な時にペンキで塗って欲しい」と頼まれました。
「暇な時が無い…」と言いたい所でしたが、たまには親孝行しなくちゃいけないな~と日々思っていたので、
これが良い機会だと思い、私が塗る事にしました。
今回は特にサビがひどくなっていた鉄のドアや雨戸、手すりを塗ります。
1.錆び落とし
サビて剥がれてきている部分をゴツイたわしでこすって落とします。
それをちゃんと落としていないと、次に塗った時に剥がれやすくなります。
ここまでは体力もあるし、楽しくルンルンで作業をしていました。
2.掃除
先ほど落としたサビや元々の汚れなどを全部綺麗に落とします。
もう集中力が途切れはじめました。
でもしっかりホコリなどを取っておかないと凹凸が出来たりします。
3.錆び止め塗装
実際の塗装の前の、「錆び止め塗料」を塗ります。
やっと待ちに待った塗る作業…!
これは少し薄めないと粘度が高くて塗りにくかったです。
錆び止め塗装が終わると、見た目は真っ白くなるので、
この時点でかなり綺麗に仕上がります。
父がとっても喜んでいたので、まぁ引き続き頑張るか…と思えました。
今後は、建築中の現場で顔を合わせる職人さんの作業に対して、しっかり褒めてお礼を言おうと思いました。感謝はしているんだけど、なかなか言葉に出して言うのが恥ずかしいです。お金以上に気持ちが大事だなぁと思いました。
4.色付け塗装
ここに来てやっと塗ります。
想像の「塗装」ってこの部分だけなのですが、ここまでもいろいろな工程があって、かなり疲れています。
準備作業をしながら、これが楽しみでもあったので楽しみながら塗りました。
でもここで手を抜くと仕上がりに直結するので手を抜けません。
5.もう一度色付け塗装
もう一度全く同じ色を塗るなんて…修行ですよ。
1回目と2回目でほぼ見た目は変わらないワケですから。
本当に大変です。
ここまで来るとフルマラソンと同じ気持ちでした。
もうとっくに何も考える事が無くなり、ひたすら「無」で、精神を遠い所に飛ばすしかなくなるんです。
「もう嫌だ」とか「辞めたい」と思っても、途中で投げ出す方がもっと嫌なので、ただただ目の前を死んだ魚の目をしながら塗りました。
そして無事完成したのです。
家全体ではなく、ほんの一部を塗るだけだったのに丸2日かかりました。
・ドア
・手すり
・雨戸
を塗ってみてわかったのが、
「ドアが一番簡単」
という事です。
フラットだからですね。
雨戸はかなり大変でしたよ。
見えない部分まで手を入れて塗っていますから。
塗料は結構良い材料を注文したのですが、そこまで費用はかかっていません。
それでわかったのです。
「人件費が一番高い」と。
数々の工程があり、それらを妥協せず進めていくには、やはり相当な労力が必要です。
いつもは職人さんにお金を払っていますが、払う価値は大いにあるなと思いました。
しかも職人さんの方が、より愛を込めてやってくれますし。
実家の錆びていた部分がとっても綺麗になり、私自身が大満足でした。
親が喜んでくれた事も嬉しかったし、
親が元気なうちに、私自身が頑張って作業している姿を見せる事が出来たのも良かったと思います。
親孝行って、親の為ではなく自分の為だと聞いたことがあったので、それが何となくわかりました。
自分で作業する事で、たくさんの気づきがあり、本当にやって良かったなぁと思いました。
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