家プロジェクトとは…家プロジェクトは直島・本村地区において展開するアートプロジェクトです。現在7軒が公開されています。点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化しています。地域に点在する作品は、現在も生活が営まれている本村を散策しながら鑑賞することになります。その過程では、場所の持つ時間の重なりやそこに暮らす人々の営みを感じます。
作品:ジェームズ・タレル
設計:安藤忠雄
私にとっては建物そのものに興味がありましたが、中の作品はとても感動的でした。
ネタバレ要素ありなので小さめの文字で書きますね。
読みたくない方は飛ばしてください。
数人ずつしか入館出来ないシステムです。
入館前に説明を受けます。
係の人「中は真っ暗です。左側の壁を触りながら進んでいってください。」
その時点でこれから始まる事は想像もつきませんでした。
私たちの順番が来て一緒に順番を待っていた4人で中に入って行きました。
本当に真っ暗です。何も見えません。
前の人も、後ろの人も、自分自身さえ見えません。
左側の壁を触りながら、恐る恐る進んでいきました。
前の人との距離感もわからないから、ぶつかったりしながら。
係の人「ここで止まってください」
係の人「もう少し前に」
進んでいくと、椅子があるようでした。
そこに座るよう指示されました。
係の人「ここで目を開けたまま10分お過ごしください」
全然意味がわからないまま、真っ暗闇で目を開けて過ごしました。
真っ暗闇で目を開けていると、自分が本当に目を開けているのかわからなくなります。
数分経ち、少しずつ変化が。
前にぼんやりとスクリーンが見えて来たのです。
さらに数分経つと、両サイドにぼんやりと明かりがついているのに気づきました。
10分経って係の人が中に戻って来て、こう言いました。
「皆さん、少しずつ明かりが見えてきたと思います。でも実は中の明るさは最初から変わっていないのです。皆さんの目が慣れてきて見えるようになったのです。」
えぇえぇぇえ~~!!!
暗順応を体感できる施設だったのです。
よくよく考えると、入館した時から、私たちの動きを係の人は見えているようでした。係の人はずっとこの中にいるので暗さに慣れていて、私たちの動きが見えるそうです。
係の人「少しずつ前に進んで、スクリーンを触ってください」
ぼんやり見えるとは言え、まだ壁と床の境界もわからない程で、進むのは少し怖い状態です。
少しずつ進んでみてまた小さい衝撃。
スクリーンだと思っていた場所にスクリーンがなく、触ることが出来ず、空間でした。
ジェームスさん、粋なことするぅ~~~!!!
作品:宮島達男
修復監修:山本忠司
家プロジェクト第1弾のこの作品。
暗めの室内です。
「プールになっているので落ちないでください」と言われました。
プールの中にはたくさんのデジタルカウンターがあり、数字がそれぞれのリズムで進んでいきます。
直島に暮らす5歳から95歳までの人が設定したスピードなんだそうです。
この作品のキャッチコピーは「島の人々の時間を沈めた海」
なるほど~!!!
画像はhttp://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/naoshima/5.htmlこちらから借りました。
作品:杉本博司
設計:杉本博司
神社まで作品になっているなんて…すごいですね。
近づくとクリスタルの階段があります。
不思議な雰囲気。
人ひとり入るのがやっとというこのスペースは真っ暗です。
懐中電灯を持って進んでいくと、石室があります。
先ほどの本殿と結ばれているのがわかりました。
この狭さ、閉所恐怖症の人には拷問ですね。
直島の家プロジェクト編、続きます。
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